子どもの近視は、眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで焦点が手前になることにより生じるケースが多くあります。近くで見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度、伸びた眼球が元に戻ることはありません。そのために眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。
近視が進行=眼球が長くなった=網膜が薄くなる
将来、網膜剥離や黄斑出血(出血で真ん中が見えなくなる)のリスクが高くなる!!
近視の発症には遺伝的要因と環境要因の療法が関与するといわれています。
遺伝的要因とは、先祖や両親から受け継いだ遺伝子によって生じるというものであり、環境要因としては、屋外活動の減少や近見作業の増加関与が報告されています。ただし、このどちらが原因であるかという判定をすることは困難で、両者が関係して近視になると考えられています。
6歳未満の子供では近視の頻度は低く5%未満とされてきました。
しかし、最近の研究では近視の有病率が10年間で2.3%から6.3%に大幅に増加したとされており日本では7〜8歳頃から増加すると報告されています。
1)オルソケラトロジー
特殊なハードコンタクトレンズを睡眠時に装着(最低8時間)して一時的に角膜の形状を平らにすことで、眼鏡やコンタクトなしで見えるようになります。
レンズを外しても一定時間はその形状が続くので、日中は裸眼で過ごすことが可能です。
オルソケラトロジーは、装用により眼軸の延長が抑制されることが多くの研究により示されており、比較的信頼性の高い治療法といえます。
また、親の管理下で行えるため、安全に行うことが出来ます。
※ガイドラインより年齢や屈折度数が示されており、適応にならない場合もあります。
詳細はこちらをご確認ください
» 近視抑制パンフレット(PDFファイル:1.5MB)
2)低濃度アトロピン点眼液
低濃度アトロピン点眼液は近視の進行を遅らせるという点で、統計的にも臨床的にも有意な効果が確認されている治療法の一つです。
まれに副作用(眩しさを感じる)を起こすことがあるので、必ず1日1回のみ、夜に点眼をしてください。
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3)遠近両用コンタクトレンズ(多焦点コンタクトレンズ)
遠近両用コンタクトレンズ(多焦点ソフトコンタクトレンズ)によって周辺部網膜の焦点ボケを軽減することで、眼軸の延長を抑え近視の進行が抑制されることが、複数の報告で示されています。
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» 近視抑制パンフレット(PDFファイル:1.5MB)
4)遠近両用メガネ
近くを見るときの調節を軽減させ、網膜の中心部における焦点ボケを防ぐことで眼軸の延長を抑制します。
他の方法に比べて治療中断によるリバウンドが低く、長期間にわたって治療が継続しやすいです。
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5)その他にも…
・近くの作業(スマホやゲーム)時間の短縮
・太陽を1日2時間以上浴びる
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